切迫早産で入院することになってしまった場合、赤ちゃんのことはもちろんですが、お金のことも心配ですよね。
私は長男妊娠時に、妊娠中期の25週から36週までの約2か月半、個人クリニックに入院しました。
基本的な医療費は保険適応されますが、切迫早産で入院となると自己負担3割後の費用でも1日1~2万円程度と言われており、長期入院になるとかなり高額になります。
けれど、日本の健康保険はこういった場合でも様々な制度を使うことにより、実際の支払いは限定されるケースがほとんどです。
この記事では、切迫早産に関わる入院・医療費、関連制度、健康保険や民間医療保険など私のケースをもとに詳しく紹介します。
医療機関や個人の属性により異なる部分もありますが、参考までに是非ご覧いただけると嬉しいです。
切迫早産の入院医療費
- 保険診療
- 保険診療外
- その他
切迫早産の入院医療費は、保険診療、保険診療外、その他の3つに大別されますが、保険適応される部分が大きいです。
それでは、ひとつずつ解説していきます。
保険診療:入院基本料、検査、注射・投薬など
入院した際の医療処置にかかる項目です。
Memo::
私の場合、妊婦健診以外にもの定期的なエコー検査やNST、必要に応じた血液検査や尿検査などが該当しました。
また、入院直後から退院まで24時間のリトドリン(ウテメリン)点滴、必要に応じて鉄剤点滴や酸化マグネシウム錠を処方されていました。
保険診療外:一部医療処置、差額ベッド代、食事代、診断書代など
この部分は入院する医療機関によりかなりの振れ幅があります。
保険適応外は全額自己負担となるので、事前に「どういった項目でいくらくらいかかるのか」を病院に確認しておきましょう。
例えば、NSTなどの一部の医療処置が一定の回数を上回ると自費になったり、個室を希望する際は、差額ベッド代がかかる可能性が高いです。
また、食事の自己負担費用は一食460円と決まっていますが、所得や入院日数により軽減されることもあります。
Memo:
私の場合は、個室のみのクリニックで「差額ベッド代は0円」でした!
食事は、出産のために入院されている方と同じ美味しいメニューが提供されていたので、これで460円はお得過ぎるというハイクオリティな内容。普通に生活していても食費はかかるので、お得としか言いようがなかったです。
その他:病衣代、テレビカード代、通信費、日用品など
こちらは自分でどうするか選択肢がある項目です。
病衣は持ち込みor病院が用意したものを選択できる場合がほとんど。医療機関によっては、コインランドリーがあったり、クリーニングの外注システムがあったりします。
テレビカードはテレビや冷蔵庫を使用しなければかかりませんが、長期入院の場合はないと辛いかもしれません。
Memo:
私の入院した個人クリニックは、テレビや冷蔵庫、Wi-Fi完備でフリー!
病衣やタオル類などは持ち込みで、母に自宅で洗濯してもらっていました。
徒歩2,3分の距離だったので、毎日お見舞いに来てもらっており、必要なものや欲しいものも都度持ってきてもらうなど本当に助かりました。
入院医療関連の制度
- 高額療養費制度
- 医療費控除
- 傷病手当金・傷病手当付加金
- 付加給付制度
- 任意医療保険
- 市町村の医療制度
- その他
産前の入院医療関連の制度は上記の5つがありますが、❸❹❺❻❼は個人属性によるもののため、制度として使えない場合があります。
1.高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1日~末日の1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度です。
上限額は、年齢や所得に応じて定められており、いくつかの条件を満たすとさらに負担を軽減するしくみもあります。
69歳以下は年収で5つに区分されており、例えば、年収約370~770万円の場合は80,100円+(医療費-267,000)×1%となります。なので、医療機関から請求される保険診療分の金額は、1か月最大8~9万円程度になるかと思います。
ただし、窓口支払い時に制度を利用するには、「限度額適用認定証」の申請が必要です。
制度や認定証申請方法の詳細はご加入の健保にお問い合わせください。
Memo:
私は夫の扶養外で、適用区分(ウ)年収約370~約770万円でした。
支払い時に制度が利用できるよう早めに健保に問い合わせたので、認定証の手配がスムーズにできました。
認定証がないと、一旦、保険診療分を全額払う必要があり、多額の現金が必要です。
2.医療費控除
自分や生計を一つにしている家族に支払った医療費が一定額を超えると、その一部が所得控除されます。
詳細は「国税庁ホームページ内の医療費控除」に関するページをご確認ください。
私は、支払った医療費より医療保険で補てんされる金額が多かったため、こちらの申請対象にはなりませんでした。
3.傷病手当金・傷病手当付加金
傷病手当金とは、病気やケガで仕事を休んだときに加入している健康保険組合から給付されるお金です。
出産手当金の支給期間と重なった場合は、出産手当金のみ支給されます。
傷病手当付加金とは、傷病手当金支給期間終了後に、同じ病気やケガで仕事を休む場合に支給されます。
詳細は、ご加入の健康保険組合にお問い合わせください。
4.付加給付制度
健康保険組合が決めた一か月間の医療費の自己負担限度額を超えた費用を払い戻す制度です。わかりやすく言うと、最終的には限度額以上の金額はかかりません。
ただ、こちらの制度があるのは大手企業の健康保険組合などに限られ、上限となる自己負担限度額は加入している健康保険組合によって異なります。
Memo:
私の加入している健保組合では、自己負担限度額25,000円と1,000未満の端数でした。保険適応分の医療費は25,000円/月に収まるので、本当にありがたかったですね。
医療費は健保組合が把握しているので、申請不要で後日還付されました。
5.任意医療保険
こちらは民間の任意医療保険なので、切迫早産が対象になっているプランに加入されている場合に適応されます。
対象になるかどうかは、加入先にお問い合わせするのが確実ですね。
Memo:
私は独身時代に紹介されるままに加入していた保険があったのですが、そちらが切迫早産に対応していました。
このような可能性は想定していなかったのですが、加入しておいて良かったです。
出産まで順調だった場合でも、いざ出産時に帝王切開になったり、吸引分娩になったりと、急遽医療処置が必要になることもあります。
6.市町村の医療制度
私の住んでいる市では、妊婦医療助成制度がありました。
こちらは母子手帳交付から出産前日までの保険診療分の医療費を全額負担してくれる制度です。(他制度との併用不可)
お住いの市町村によっては、同じような制度があるようですので、各自ご確認ください。
Memo:
付加給付制度とこちらの制度のおかげで、産前の保険診療分は実質0円になりました。
当然ですが、付加給付とこちらの制度の両方からいただくことはできません。私の市では、付加給付が優先され、その他の部分を市の助成金でカバーするルールになっていました。
7.その他
企業によっては傷病見舞金などが支給されることもあります。
今回は対象外でしたが、私の勤務先では、自分や家族の入院で差額ベッド代が発生した場合、8日目から90日間まで4,000円/日を支給してくれる制度がありました。
ただ、私が所属している会社では、本人宛に案内がないため、これらは知っている人だけが受けることが出来る恩恵になります。
私は使える制度があるか、健康保険組合の制度以外にも、社内の福利厚生や労働組合などのガイドを読み込みました。
会社から案内がある場合が多いかもしれませんが、身の回りに利用できる制度がないかどうか、自分でも確認しましょう。
今回の入院医療費と還付金額
今回、73日間の入院にかかった医療費等と還付金額を紹介したいと思います。
入院医療費:¥369,387
保険負担割合:3割、高額療養費制度:区分ウを適用し、医療機関窓口で支払った費用です。
Memo:
私の場合、合計73日の約2か月半ほど入院しましたが、月で言うと4か月にわたり入院しました。
高額療養費制度は毎月1~末日で区切られる制度なので、同じ2か月半の入院でも、3か月に納まるのか、4ヶ月になってしまうのかで金額が結構変わってきます。
【明細あり】切迫早産で入院!高額療養費制度は月をまたぐと高くなる?
還付金額:¥715,534
健康保険組合からの付加給付金、市の助成制度、任意医療保険の3項目の給付金合計です。
それ以外にも、出勤日数や休業日数に応じて、会社からは休み始めた月の給与、健康保険組合からは傷病手当金・出産手当金が給付されましたが、こちらは割愛しています。
Memo:
還付に関しては非常に恵まれた状況で、経済的負担による心配はせずに済みました。
けれど、本当は入院などせずに、ストレスレスで楽しいマタニティライフを送りたかったと心底思います。
順調なマタニティライフを最後まで過ごせるということはお金には代えられない価値があります。
まとめ
- 高額療養費制度の限度額適用認定証を準備する
- 自分の利用できる制度を確認する
- 任意医療保険の加入を検討する・見直す
いかがだったでしょうか。
妊娠出産は何が起こるかわかりません。備えあれば憂いなしです。
妊娠を検討されている方は、所属している組織の福利厚生や健康保険組合、保険の内容を確認してみてはいかがでしょうか。
個人的には、大きな不安の中で、医療保険に加入していることは大きな安心につながりました。
妊娠中のリスクに備えて、ご自身の状況に応じた保険を検討してみても良いですね。
掲載内容は2018年のものです。最新の情報と異なる場合がありますので、必ずご自身でもお確かめください。
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