今回は、熱性痙攣重積発作を経験した三男のお話の第二話。
発熱から痙攣発作を起こし、救急車が出発したところまでの第一話はこちら。
【体験談】熱性痙攣重積発作で緊急搬送された話①発熱~救急車出発
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1病日目:2回目の発熱でまさかの事態に・続
「〇〇病院へ搬送します」
ようやくヒアリングが終わり、搬送先が決定。
夫が後から車で追いかけることになっていたので、震える手で夫に病院名をLINEしました。
三男はどうなっているの?大丈夫なの?
「まだ痙攣してるね」
救急隊の方が言います。
そんな…もう5分どころじゃない。ずっと痙攣しているってどいうことなの?
ストレッチャーに横たわり、確かに足がピンと伸びているのが見えるました。
これも痙攣状態ってことなのね。
私の席からは三男の表情がよく見えず、声をかけたり、足をなでることしかできませんでした。
お願い、早く治まって!
ただただ、そう祈る気持ちで、まだ小さな三男の足先に触れていましたが、泣くこともなく、身体が硬直状態で意識もないまま横たわっている三男は、とても大丈夫そうには見えませんでした。
モニターのアラームが不安を煽る
周りの景色が、私の知らないものにどんどん変わっていく。
ふと私のすぐ横にある後方の窓から外を見ても、夫の車らしきものは見当たらず、不安が募っていきました。
ここはどこなの?病院はまだ?いつ到着するの?
どこへ向かっているともわからない状況に、ますます途方にくれているその時、変化が起こりました。
三男に取りつけてられていたモニターのアラーム音が、ピッピッという音から急にピーーーーという音に変わったのです。
「〇〇ちゃん、〇〇ちゃん!!!」
私は三男が心停止をしてしまったのかと思い、思わず泣き崩れましたが、幸い違いました。
「お母さん、落ち着いて。大丈夫。この子は頑張ってくれていますよ。」
どうやら、小さい子のモニターは外れやすいこと・感知しづらいことがあるらしく、三男のオキシメーターがうまく測れず音が鳴ったもよう。
モニター画面には3つの数値が表示されていましたが、私にはその数値の意味も、数値が良いのか悪いのかもわからない。ただただオロオロとすることしかできませんでした。
夫の車は相変わらず見えず、三男の容態も良くなっている様子もない。モニターの音がときどき鳴っては、私を不安にする時間が続きました。
もうやだ、早く病院について…
ERに到着!
救急隊の方が突如、私に声を掛けます。
「お母さん、もうすぐ病院につきます。到着したら、ドアを開けるので、先に降りてください。そのあとに〇〇君をストレッチャーで降ろします。」
「はい!」
やっと病院に着くんだ。
救急車が病院に到着し、後方のドアが開けられました。
私は急いで救急車から降り、時計を見ると17:05くらい。通報から30分ほど経っていました。
もう30分も経ってる…大丈夫なの?
ERの入り口には病院スタッフが待っており、三男はたくさんのスタッフに囲まれながらすぐにストレッチャーで治療室に運ばれていきます。
どうにか助けて欲しい。病院に着いた安心感とまだまだある不安で、涙がどんどんあふれ出てきました。
「お母さん大丈夫?」
「私は大丈夫です。あの子を…助けてください…うぅぅぅ。」
嗚咽しながら言葉が言葉になっていなかったので、どう見ても平常心ではない状況。
でも私の体は何ともなくて、大変な状況にあるのは三男。
どうか助けて欲しい、助かって欲しい。そう思うとより一層涙が出てきて止まりません。
「お母さんはこちらへ」
離れたくない。
そんな気持ちではありましたが、こんなときにも記入が必要な書類などがあるようで、私はスタッフの一人に促され、三男とは別の場所へ移動することになりました。
続きます。